コーヒーを始めたばかりのあなたも、よく耳にする「レギュラーコーヒー」、「ストレートコーヒー」、「シングルオリジンコーヒー」という言葉、それぞれどんな意味か知っていますか?
「レギュラーコーヒー」とは、一般的に焙煎されたコーヒー豆またはその豆を挽いた粉のことを指します。これは、フリーズドライされたインスタントコーヒーとは異なります。
「ストレートコーヒー」は、異なる豆を混ぜずに、一種類の豆だけで作られたコーヒーです。
一つの味を楽しむことができます。
そして、「シングルオリジンコーヒー」は、その名の通り、特定の国や農園、品種から来た豆だけを使用しています。
その土地の環境や栽培方法による独特の風味を味わうことができます。
コーヒー豆の分類には主に4つのカテゴリーがあり、市場での取引量や価格によって異なりますが、シングルオリジンは特に一つの地域に特化した豆として認識されています。
これらの用語を覚えておくと、コーヒーについての話題で困ることが少なくなるでしょう。
コーヒー豆の分類とシングルオリジンについて
コーヒー豆は市場で取引される際、大きく「ローグレード」、「コモディティ」、「プレミアム」、「スペシャルティ」という四つのカテゴリーに分けられます。
カテゴリーが上がるほど、豆の品質も高くなり、風味が豊かで洗練された味わいを楽しむことができます。
それとは別に、「シングルオリジン」という言葉があります。
これは「単一の産地から来た豆」という意味で、特定の農園や地域で栽培された豆だけを使用しています。
このため、その豆が持つ独特の特性や風味が、栽培方法や収穫時期によっても変わります。
以前は「ストレートコーヒー」と呼ばれることもありましたが、シングルオリジンのコーヒーは、特定の生産地からの豆だけを使うため、その地域の特色が強く出ることが特徴です。
例えば、ブラジルの異なる農園で栽培された豆は、それぞれに栽培環境や
処理方法が異なるため、味の違いを楽しむことができます。
しかし、シングルオリジンが必ずしも最高品質とは限りません。
この用語はあくまで豆が一つの生産地から来ているということを意味しています。
シングルオリジンでは、生産地や農園、品種、精製方法などがはっきりしているため、その豆の特徴を明確に理解することができます。
スペシャルティコーヒーは、これらのシングルオリジンとは異なり、品質審査で高い評価を受け、追跡可能なトレーサビリティが確立されている豆です。
コーヒー豆の4つの主なカテゴリーについて解説します。
1 スペシャルティコーヒー
このグループのコーヒー豆は、生産から流通までの全過程が追跡可能です。
品質が高く、カッピング試験(専門的な味評価)でも優れた評価を受けています。
市場での取扱量が少なく、価格も一般的な市場価格を超えることが多いです。
2 プレミアムコーヒー
特定の産地から来た高品質の豆で、コモディティーコーヒー(一般的な市場コーヒー)よりもさらに良質な味わいを提供します。
スペシャルティコーヒーに似ていますが、品質の線引きが少しずつ曖昧になっています。
3 コモディティーコーヒー(商業コーヒー)
広く流通しており、希少価値は低いですが、ニューヨーク市場での取引価格に基づいて価格が設定されています。
大量生産により安定した供給が特徴で、多くのスーパーマーケットで見かける豆がこのカテゴリーに属します。
これらのカテゴリーは、品質、希少性、価格、取引方法によって異なります。
消費者は自分の好みやニーズに合わせて、適切なコーヒー豆を選ぶことができます。
ローグレードコーヒーについて
このカテゴリのコーヒー豆は、加工用途に主に使用されます。
特にインスタントコーヒーや缶コーヒーを製造する際に適しており、アラビカ種とロブスタ種の派生種をブレンドして使用されるのが一般的です。
最近では、これらローグレードコーヒー豆の品質も改善されつつあります。
カップ・オブ・エクセレンス(COE)について
カップ・オブ・エクセレンスは、「アライアンス・オブ・コーヒー・オブ・エクセレンス」(ACE)というアメリカの団体が主催する国隅のコーヒー品賤審査会です。
1999年に創設されたこのイベントは、世界各国からコーヒー生産者が参加し、その年の最高品質のコーヒー豆を競います。
評価を通過したコーヒー豆は、オンラインオークションで世界のコーヒー業者によって競り落とされる機会が与えられます。
この審査は、各豆の独特の特性と品質を公平に評価するための厳格な基準に基づいて行われます。
カッピングとは?
カッピングは、コーヒーの味や香りを専門的に評価する方法です。
コーヒー業界で使われるこの技術は、コーヒーについて学ぶ上で基本的な知識とされています。
カッピングの方法と目的
カッピングは、コーヒー豆の品質を格付けしたり、焙煎の過程をチェックしたりするために行われます。また、豆の風味や特徴を詳細に評価する目的でも使われます。
この評価は、すべての豆に対して一定の方法で実施され、目的は豆の種類によって異なります。
例えば、大量に流通するコモディティーコーヒーの場合、多くの豆を一度に評価して、それぞれの欠点が許容範囲内かどうかをチェックすることが主な目的です。
一方、スペシャルティコーヒーのカッピングでは、それぞれの豆が持つ
ユニークな特性や風味を正確に評価し、その特徴を明確にします。
カッピングの結果得られるスコアは、豆の市場価格に影響することがあります。
カッピングの二つの方法
ネガティブ評価
通常の市場向けコーヒー(コモディティコーヒー)のカッピングでは、豆にどのような欠点があるかを見つけ出すことが主な目的です。
これにより、大量生産されるコーヒーの品質を管理します。
ポジティブ評価
一方で、高品質なスペシャルティコーヒーのカッピングでは、豆の持つユニークな特性や豊かな風味を詳しく評価し、その特徴を明確にすることに焦点を当てます。
カッピングはコーヒー初心者にも非常に有益です。
いくつかの異なる豆を同時に試すことで、それぞれの豆がどのような個性を持っているかを直感的に理解しやすくなります。
スペシャルティコーヒーのカッピング
スペシャルティコーヒーのカッピングは、場合によってその目的が異なります。
このプロセスは通常、コーヒーの専門家や品質管理者が行い、最終製品の品質を決定するための重要な手段となっています。
カッピングとは:バイヤーとカッパーの役割
スペシャルティコーヒーの生豆を取引する際、カッピングはコーヒーの価格を決定するための重要な基準となります。
カッピングを行う専門家、カッパーは、第三者機関から派遣されたり、コーヒーの売り手や買い手に直接雇われたりして、さまざまな形で活動しています。
ロースターによるカッピング
ロースターは、様々なコーヒー豆に適した焙煎方法を見つけるためにカッピングを利用します。
焙煎後の品質チェックや、焙煎プロセスが豆の風味にどのように影響しているかの分析も行います。
バリスタが行うカッピング
焙煎された豆を使ってコーヒーを提供するバリスタは、カフェで提供するコーヒーの品質を保つためにカッピングを実施します。
これにより、それぞれの豆の理想的な挽き方や淹れ方を見つけ、カフェのメニューに合った説明をすることができます。
プロが注目するポイント
カッピングにおいてプロフェッショナルたちは、コーヒー豆の品質や特徴を詳細に評価し、その情報をもとに最適な取引や製品作りを行います。
生豆の品質評価について
コーヒー豆の品質評価を行うことで、その豆がどのような環境で育てられ、どのような方法で加工されたかを理解することができます。
また、豆の味わいを通じて、生産過程における問題点を特定することも可能です。
焙煎の調整プロセス
焙煎は、コーヒー豆の風味に大きく影響を及ぼすため、焙煎の方法や時間を細かく調整することが重要です。
適切な焙煎条件を見つけるためには、焙煎後の豆の品質を定期的にチェックし、必要に応じて改善点を探る必要があります。
カッピングのプロセス
カッピングは、コーヒーの風味や特性を評価するための方法です。
特にスペシャルティコーヒーの場合、多くの評価項目に基づいて豆の品質を細かくチェックします。
カッピングの実施方法
焙煎されたコーヒー豆を適度な粗さに挽き、異なる条件下での風味を評価します。
テイスティング時には、コーヒーの粉に熱湯を直接注ぎ、沈殿物を避けて上澄みのみを味わう方法が一般的です。
カッピングの採点システム
日本では、「SCAJ方式」と「SCA方式」という二つの主要なカッピング方法があります。
これらの方法では、複数の専門家が評価を行い、その平均点に基づいてコーヒーの品質が決定されます。これはコーヒー業界の品評会や会議で広く採用されている評価方法です。
日本でよく使われるカッピングの方法
SCAJ方式
これは日本スペシャルティコーヒー協会が採用している採点システムで、「カップ・オブ・エクセレンス(COE)」の基準に基づいています。
8つのカテゴリーで0から8点の評価を行い、基本点として36点を加え、合計で100点満点の中から得点が算出されます。
点数が80点以上の場合、そのコーヒーはスペシャルティコーヒーとして認定されます。
評価項目には欠点も含まれ、必要に応じて点数が引かれることがあります。
SCA方式
スペシャルティコーヒー協会による採点方法で、こちらは10の評価項目があります。
各項目は最大10点で、全項目の合計点で総得点が決まります。
スペシャルティコーヒーと認定されるには、こちらも総合得点が80点以上が必要です。
SCAJ方式と比べると、評価項目の数が異なります。
これらの方法により、コーヒーの品質を公正に評価し、
消費者に向けて高品質のコーヒーを提供するための基準が設けられています。
カッピングでの重要な評価ポイント
1 香りと味わいの分析
カッピングでは、特にコーヒーの「香り」と「味わい」を重点的に評価します。
スペシャルティコーヒーの場合、フルーツやチョコレートのような特徴的で豊かな風味があるコーヒーが高い評価を受けます。
また、飲んだ後の余韻や口あたりの感じも、評価の大切な部分です。
2 温度変化と味の変化の観察
カッピングでは、コーヒーの粉がまだ乾燥している状態から、熱湯を注ぎ、その後の温度の低下に伴う風味の変化も詳しく観察します。
香りは特に高温のときに強く感じられ、コーヒーが約60度に冷めた時には味わいが最もはっきりと感じられるとされています。
これらの点を理解し、観察することで、コーヒーの味の深さや複雑さを
より良く評価することができます。